10代、20代の自分に贈るメッセージ

10代の自分への手紙

40代、50代の方だったら、もし、10代からやり直せるとして、40年、30年前の自分に言葉を掛けるとしたらなんて掛けてあげますでしょうか。

また、30年のキャリアを持ってして、改めて、単純に、今の時代の、10代、20代に声を掛けてあげるとしたら、なんて言葉を掛けてあげたいですか。

ワタシは30年間、正確には28年、「終身雇用制度」の下、ファーストキャリアで勤め、そこそこ階段を昇っていった後、惰性で65歳、いえ、70歳まで働くことを良しとせず、早期退職制度ができる前に自主退職して転職しました。

転職して感じたことは、「世の中は広い」ということと、「がむしゃらに生きている人がこんなにも多い」ということです。「がむしゃら」という意味は、ガスが止まるとか止まらないとかいう中で精一杯生きているという意味です。

老後まで安泰であろうはずだった既定レールを、50歳を超えてから、飛び出して、それはもう色々な経験をし、良い意味でも悪い意味でも、色んな人から、色んな事象から沢山のこと、そのままレールに乗っかっていては決して気付けなかったことを学びました。

①IT ②レバレッジ ③世界

以下に、連綿と、10代、20代頃の自分や、いま、それくらいの年代にある人に贈るメッセージを書き挙げていきますが、主要キーワードは、この3つです。

なぜなら、世界の動きが、このキーワードに基づいて回っているからです。

コロナ禍は厄で

あることに間違いないですが、「方向性の定まらない日本を気付かせてリセットして向きを定めさせるキッカケだとすれば、メリットも生み出せようぞ」と言うことができます。

10代、20代にすべきこと 心構え

脳が発育する10代前半までのやっておくべきことは、親御さん方々のご意向もあるので、易々とは言えません。

ここで取り上げるのは、ある程度、自分の裁量で自由に動けるようになる10代、20代頃の自分や、いま、それくらいの年代にある人に贈れるメッセージを考えてみました。

好奇心旺盛にしておく

これが、一番重要です。

なぜなら、全ての「動機」の「源泉」になるうえ、後輩のみならず、目上の人と話すいかなる場合でも、人間に深みが、もろに、出てきます。

そして、判断能力が総じて高い傾向があります。

それはある意味当然のことです。例えば10のジャンルに詳しいとして、一つのジャンルについて10個以上の語れることがあるとすると、100の「引き出し」を持っていることになります。

正確には無限大の引き出しを持っています。

なぜなら、それぞれの1つが、他の引き出しのみならず、色んな引き出しと絡み合うからです。

この例の中の「引き出し」に、1〜100まで番号を振るとすると、その人が判断して口に出した言葉は、1-2、2-3の2つの因数の組み合わせで出てきたものだけでなく、1-2-15の3つの知識を組み合わせて出した判断の場合もあり、2-3-47-89-100と5つの知識を組み合わせて出した判断ということもあります。

知識の引き出しが100個あるとすると、人によっては、100 x 99 x 98 x ...通りの判断材料があり、200個、300個...引き出しをもっていて、それを、それぞれ組み合わせて判断の素とできる人であれば無限大です。

好奇心旺盛で、確立された知識を複数持っていて、更に組み合わせる能力が備わっていれば、判断能力は引き出しの数に応じた高さを持つことになります。

果敢に挑戦する そして失敗を重ねる

失敗しない人は大きくなれません。

これは成功している人の格言です。

挑戦しなければ失敗はしません。

失敗した数こそが、樹木の年輪のように、その人に、人の深みと感性と人間力を刻み込んでいきます。

失敗することで、周りの人に支えられていることが分かり、周りに恩返ししようと言う原動力になります。

自分に投資 一方で蓄財

投資に対する最大のリターンがあるとすれば、それは、自分に対する投資です。

なぜなら、それは、上述の「引き出しの話」同様、投資して得た知識や技術は、足し算ではなく、それぞれが掛け算で、絡み合って「力」となっていくからです。

例えば、プログラミングスキルや、英語、簿記、金融リテラシー、趣味でも構いません。釣り、スキューバ、合気道、弓道などです。

投資は、通常、「マイナス面」に働くことがありますが、「自分への投資」は「プラス面」にしか働きません。

修得したことが、それぞれ掛け算の方法で絡み合っていくのです。

「芸は必ず身を助く」となります。

一方で、蓄財です。

投資と蓄財、相反するものですが、この両方をできる人がバランス感覚のある人になります。

なぜなら、両方をやるために、常に頭で考えながら、実践していくからです。

投資するだけ、または、貯蓄するだけでは、これまた、「人間力と感性」を磨くに値しません。

知識と関心の熟達した分野は最低4つは持つ

広く浅くでは、感動を与えられません。

なぜなら、「明日は晴れるかもしれない。でも雨が降るかもしれない」理論と同じだからです。

「明日は晴れるかもしれない。でも雨が降るかもしれない」という情報は、実は、何も情報を提供していません。「天気はどうなるかな」の質問者に対して、何も答えなかったのと同じことです。

10つの知識、関心事、得意なことがあるとすれば、「レベル10段階のレベル8以上の分野」を4つ以上は持っておくことが、長い人生で強みになっていきます。

自分の参考とする人にはどんどん会いに行って話を聞く

これは、本当にやっておけば良かったです。

なぜなら、そこから色んなことを学べますし、そこから色んな方面に派生するからです。

本人と相対で会わなくても、講演会をしていたり、著書の発売発表会に出たりすることでも良いです。

孫正義氏が、「ユダヤの商法」という本を書いた「日本マクドナルド」「日本トイザらス」「日本ブロックバスター」創業者でもある藤田田(ふじたでん)氏という凄腕社長に直接会いに行ったという話は有名な話です。

近付くことが大切です。そこからしか見えない景色も見えてきますし、「本当は追いかけていたはずの人」の影響で、また別の人に会ってみたくなることもあります。

そうしたことを通じて、どんどん思考が深まるのは道理です。

前述の4つのうちの一つが構築されることもあります。

ITスキル・英語力は必須

この部分での不認知や、劣後は、もはや致命的になります。

なぜなら、世界がそれを主軸に回っているからです。

という記事の1番目の見出し「時代の趨勢ーながれーが完全に「IT」だって気付いた」の中でも触れていますが、2019年の時価総額ランキングの上位面々を見れば即座に理解できます。

今、ミリオンヒット曲を送り出すとするならば、或いは、東京ドーム、さいたまアリーナで超満員にできるステージであるのは、現代POPであって、演歌や民謡、童謡では困難になってきているのです。

世界を見据える

世界の市場で戦えなければなりません。

なぜなら、世界の人口が増加を辿る一方で、日本の人口は減少の一途となるからです。

2100年、世界人口は112億人に達すると言われる中、日本の100年後の人口は5500万人になるとも4286万人になるとも言われています。

これに高齢者比率が今と同じか、高まっているとすると、消費需要は惨憺たるものになります。日本国内で、車というものがその時に存在しているか不明ですが、車も売れなければファッション業界も自然、期待が薄らぎます。

今よりも更に、世界を相手に商売や、活躍をしていくことになります。

発信しつづける

受け身だけでは、風船のようにいつかは萎んでしまいます。

なぜなら、発信することで情報が集まってくるからです。

情報や行動の源になる必要があります。

受信でも情報は集められますが、多岐の分野の情報を絡み合わせることは難しいです。

よく都内をグルグル運転していると、「あっ、この道、ここに通じるんだ!」ということを経験するでしょう。

この「グルグル運転するという行動」が、「発信」に相当します。

助手席や後部座席に乗っているだけだと、気付けないことが多くあります。

記憶力を維持する

先日イギリスで小学生のサッカー練習でのヘディングが禁止となりました。

残念ながら、脳細胞は増殖しないことが判明しており、更に、衝撃が加わるごとに細胞が死滅することも分かっています。

脳は消耗品ということです。

記憶力は歳を重ねても落ちない、色んな経験が幅を効かせるようになるだけだといった学説を見たりしますが、いずれにしても、記憶力は、なんなら凄く若いころから、鍛えた方が良いです。

記憶力もそうですが、「思い出す力」もかなり重要です。

これについて述べている書物やネット記事は、知りたい内容と一致するものは、まだ見つかっていませんが、頭の片隅には確かに貯蔵されているけれども、それを引っ張り出してくる力はとても大切です。

久米宏さんが、35年前、ニュース司会を辞退する際に、「場面場面に適切な言葉を発して来ていたのに、それが出来なくなってしまった」と仰っていたのを記憶しています。

その引っ張り出す力がなくなるっていうことは、上述した、100個の知識の「引き出し」が開けれなくなることですので、それに関連した組み合わせの「知識」に基づく判断も出来なくなるということですので、判断力は低落します。

嫌だなと思う仕事はしない

単純な側面で言えば、「嫌な仕事だったら辞めちゃえば良い」とも言えますし、ポジティブな側面で言えば、「嫌な仕事を好きになるようにすれば良い」とも言えます。

「嫌い」と思いながらする仕事は、「好き」に変えるか、そうでなければ、辞めて良いんです。

それに耐えたところで、後輩や配下に、「自分はそうして耐えてきたんだから」「嫌なことを我慢して仕事することは仕方ない」と指導して、彼ら、彼女らが本来活躍できる機会、活躍できたであろう機会を、根こそぎ摘み取る行動にしか結びつきません。

また、「そんなん、辞めちゃったら、そのあと、どうしたらええねん」という質問に答えるとすると、「そのために、上のことをすべて、10代、20代やって来ているならば、辞めることはそうそう苦難ではない」となります。

労働力を問わない形態を目指す

残り2つは、一番最初の「好奇心旺盛」と並んで最も言いたい点です。

このコロナ禍でもはっきりしたことですし、また、2019年時価総額ランキングでも明確になっていることでもあります。

第一位 アップル

第二位 マイクロソフト

第三位 アマゾン

第四位 アルファベット(Google)

が2019年度時価総額ランキングのTOP4ですが、共通点は....

共通点は、予め仕掛けておいたものを、人々が利用する毎に、「チャリンチャリン」とお金が入ってくる会社だということです。

一度作ってしまえば、「労力とは無縁」とも言えます。

その裏付けとして、2020年5月8日の記事によれば、「米テクノロジー大手のフェイスブックとグーグルは、現在の在宅勤務の態勢を今年末まで続けると発表した」とあります。

これが、年末まで残り7ヶ月も残して、今の段階から言えてしまうのは、そういうことなのです。

労働力:収入が 1:1 となるビジネスは、これから、尚一層の効率化を求められるか、フェードアウトしていくことになります。

これまで当たり前だった「労働力:収入= 1:1」形態のビジネスでは、コロナの影響で、今年の勤務の全体時間の0.8しか出勤できなかったとしたら、収入も0.8になる可能性があります。

そうでなくても、病気や、何らかの原因で、出勤できなければ、その分の収入が減らされてしまうと言う「自分の身だけが頼り」では、日本のこれからの介護事情を鑑みれば、より個人的にも、国全体レベルでも不安を抱えることになります。

本体がいなくとも、しっかりサービスや商品を提供し続けている、自分の「分身」を作っておくという概念が非常に大切になってきます。

「一人1日24時間」という概念を取り壊して、一人1日何万時間、何億時間を作ることを常日頃意識することが必要です。

起業家を目指す

いよいよ最後です。

最後には、上のことを意識しつつ、「起業家を目指して欲しい」ということです。

実は、起業家も、労働力:収入= 1:1 でない形態です。

なぜなら、自分の代替者として、社員が存在するからです。

自分の意志を汲んで入社してくれて、その商品やサービス、ビジネスモデルに共鳴してお客様に提供してくれる社員は、自分の代替者、代弁者です。

中には、こう言う人もいるでしょう。

「起業家になるなんて、社員を抱えるなんて、それこそ、リスクだ」と。

それも今までの発想に基づけば、その通りです。

先日、ある芸能人が、ある番組で、「このコロナの影響で、自分の仕事が減ったことによって、自分の周りで色々と助けてくれていた取り巻きのスタッフまで、仕事なくなっちゃって。彼ら、彼女らに『自分たちで他に仕事持ってないないのか』って聞いたら、『ありません』って。どうしようかなぁって思っちゃって。困っている」と言っていました。

これからの会社は、この状況にならないように、

・社員に、社員それぞれのリスク分散をさせるために、他での仕事も認めておく

・育っていったなら、退職して、独立するのも自由とする

・独立起業後に困ったら、「当社に席が空いている限りにおいて」復職するのも自由

としておくのです。

「人間力と感性を持った会社」なら、そこで育った社員なら、きっと、故郷みたいに大事にしますし、戻ってくる際にも、「恩返ししよう」と思って復職します。

そんな魅力のある会社なら、新入の有望人材も集まってきます。

先ほどの芸能人の例で言えば、取り巻きスタッフが、その芸能人依存型から一歩進んで、他の仕事にもきちんと分散しておくことで、リスクが分散できるということです。

まとめ

上記のことを念頭に入れて、自身の身で表現しつつ、コーンフレークではありませんが、必要な「蓄えるべき能力」を多角形グラフにするのなら、

好奇心

人間力

感性

スキル

掘り下げる力

行動力

レバレッジ力

発信力

の八角形の力をレベルアップしておくことが肝要です。

コメント

  1. […] 10代、20代の自分に贈るメッセージ40代、50代の方だったら、もし、10代からやり直せるとして、40年、30年前の自分に言葉を掛けるとしたらなんて掛けてあげますでしょうか。 また、30年 […]

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