【日本の不思議】なぜ日本では即日現金給付ができないのか

世界と日本・世界の中の日本

こんにちわ。KaibaSAKAMOTOです。

今、日本では、特別定額給付金を巡って「ネット申請を廃止して紙ベースの申請へ」という現象が起こっています。

なんでも、マイナンバーカード発行に手間がかかっているのと、ネット申請した内容と登録状況が合っているかを確認するのに複数人で読み合わせをしているとか聞こえてきます。

世界では即日給付など「即日◯◯」が可能になっている昨今ですが、日本ではどうして、それが出来ないのか、解説していきます。

自らの経験も踏まえた、一理論ですので参考にしてください。

海外で暮らして働いていなければ理論も異なっていました。

「世界を見て『世界の中の日本』を知る」ということは、アフターコロナ時代では、特に日本人には必要になってきます。

結論

官公庁が「ネットを廃して紙にする」という考えに至る構図は次の通りです。

【要素】

・IT不慣れ|ITへの不信感|新しい技術への嫌悪感…「FAX送信や書類持込して そのうえで役人と話した方がラク」

・政治への甘え…「自分の手間を丸投げしても それは政府がなんとかしてくれる」

・高齢化社会…「ネットとか使えない|ネット環境もない」

・票田…政党の票田が圧倒的に高齢者

・オレオレ詐欺集団輩の活躍の場…「今こそ」と虎視淡々と暗躍

【判断】

・ネットで来たものに関して 一々 突合や照会を受けるなら最初から紙で受け付けた方が二度手間でなくなる

・ネットで申請した人が紙でも申請した場合の二重払懸念

・それに受け付ける側もITに不慣れ

・ネット申請を巡って批判が大きくなって叩かれるのはイヤ

・手間と全責任が政府とお役所に集中 特にITに詳しい限られた人に何もかも集中 

・ネット申請の場合 お役所に人数は多くても対応できる人数は限られる

【結論】

・責任は回避|操作指導・相談・苦情受付含めた手間は極小化するには「紙」一本化

・即日給付は「無理よりの無理」

各国の事例

日本経済新聞さんの記事

または

株式会社第一生命経済研究所さんのレポート

によると

ドイツやスイスなど各国が、「スピード重視」で対応している様子が窺えます。

それを可能にした一端が「IT」という点も、既に広く知られているところです。

余談ではありますが、台湾でマスクを巡る混乱が起こらなかったのも国民一人一人が国民健康保険証と紐付けられており、順番制で確実に受け取れるような仕組みが出来ていたからです。

*参考記事:マスク「実名制」第3版、コンビニのマルチメディア端末で予約購入可能に

では、日本で、それが出来ていない要因を見ていきます。

ITへの恐怖心

通帳・紙・印鑑最強説

カード取引やネットバンキングを通しての犯罪も多く、「通帳と印鑑+見慣れた銀行員」への信頼感が、却って増していた時期が長くありました。

新しい分野知識なくとも立身を可能にしてきた「終身雇用制度」

また、日本は、高度成長時代という突出した成功例があるだけに、その時代を乗り切ってきた「終身雇用制度」への信服も絶大で、ネット等のIT分野(第四次産業の代表格)への新しい見識がなくとも、「過去の実績」で立身出来たことも、ITが国民全体に浸透し切れていない要因です。

個人情報保護法による金縛り

ITへの不信感を植え付ける「詐欺行為」

「振り込め詐欺」を企む輩は、高齢者がいると思う家に狙いを付けては、色んな情報を少しずつ少しずつ蓄積していきます。

なぜなら、情報が溜まっていけば、電話をした時に、具体的な事象を電話口で言うことで信じ易くすることができるからです。

この点も、実は、日本が平和で来た故の代償で、「悪い人はまさか自分の身の回りにはいない」という思い込みがあります。

だからこそ、身内しか知らない詳しい状況を、電話口で言われてしまうと、自分の子供や孫だと信じてしまうのです。

色んな個人情報を登録するIT分野のサービスが根源と認識されてしまうと、ITへの不信感は募るばかりなのです。

個人情報漏洩への代償

今はどうか定かではありませんが、一時、個人情報を漏洩した企業は、1軒1軒をお詫び行脚したうえに1件当たり2万円近くを慰謝料として払っていた時代がありました。

お詫び行脚で言えば、数千件を回った企業もあるやに聞いています。

その多額な慰謝料が、既定の相場となったことで、企業は、「たった1通のメールの誤送信が、下手をすると、お詫び行脚の労力に加えて億円、10億円、100億円単位の代償にもなりかねない」状況となったことから、メールを使わず、手間を掛けて送るFAXや郵送に切り替えました。

それもこれも、漏洩した情報が上述の、「振り込め詐欺」の犯人集団への売り材料になってしまうことを恐れるからにほかなりません。

日本と海外の大きな相違点は、「振り込め詐欺」があるかないかなのです

「振り込め詐欺」がない国であれば、あってはなりませんが手帳を落としても、名刺入れを落としても、さほど問題にはならないのです。

高齢化社会

個人情報保護が他国よりも重責になる理由

それは、世界で一番、高齢化が進んでいるからです。

高齢化が一番進んでいて、尚且つ、もともと「人を疑わない国民性」ということも影響して、「振り込め詐欺」被害者が毎年毎年、後を断ちません。

1999年8月の発祥以降、20年経ってもなお、被害者が出続けているのです。

残念なことに「振り込め詐欺」が出続ける限り、「便利なはずのIT化やキャッシュレス化」が、益々、「悪の権化」と印象付けられていくのです

政権を支える票田

どの政党にとっても、60歳代以上には手厚い制度にすることが求められます。

なぜなら、60歳以上の票田が5割近く占めるからです。

となれば、当該世代が「気に入らない政策」、「面倒な手続き」は定めづらくなるのです。

ITでの申請を、表立って、「IT以外は受け付けない」といったようなスイスに倣った施策を講じてしまうと、「票が取れなくなる=政権が取れなくなる」ため、手厚く手厚くせざるを得なくなります。

一方で、「若年層の利便性を考慮しても、所詮、票が得られない」という邪念が、政治家には出てきてしまうのです。

それは、一概に「政治家だけのせい」には出来ない面もあります。

「なぜ即日給付にならないのか」という根源には、実は、この

・「高齢化社会」

・「若年層の投票率の低さ」

にも多分に起因してしまっているのです。

政府の庇護のもと

世界の大統領・首相の過激な語録

発言の一部切り取りなので、真意|本意は別のところにある場合もありますが、日本では「文脈の中の一節ですら許さない」との風潮があることを踏まえて列挙します。

ここでは、日本の首脳が、どれだけ穏健かを言及するためだけに、比較として掲出しています。

各国首脳を非難する目的ならば、文脈をしっかり捉える必要があります。

ブラジル「ボルソナーロ大統領」

「新型コロナは軽い風邪」

フィリピン「ドゥテルテ大統領」

「警察、軍や地方自治体に対し命令した。隔離措置に従わず抵抗し、自らの命が脅かされた場合、射殺しろ!」

  フィリピンで従わない市民一人が、実際に射殺されたのは、周知の事実です。

日本人は、「強気には出れない政府」の庇護のもと、

「◯◯は出来ないから」「◯◯してくれないと困る」

「◯◯は覚えるのが面倒だから」「◯◯するのが筋だろう」

「◯◯なんだから、役人がどうにかしろ」

と国民方々は主張しがちですが、それが、却って、

「即日給付できない」原因になっている一面もある

ことを認識する必要があります。

アメリカからも、日本政府の初期動作を「醜態」として報道されましたが、ワタシ達、国民側にも、ビフォーコロナ節から進化した形で、最大限協力する側に回る責務もあります。

そして、「ITやキャッシュレス化」を畏怖する原因となっている「振り込め詐欺」被害を減らしていく「本気度」が必要です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました