50歳代総活躍社会の実現へ

人生・人世・人間関係

バブル絶頂期に社会の波に飛び込んでいった、いわゆる「バブル世代」。Wikipediaによると、

バブル世代は、バブル景気(内閣府景気基準日付第11循環拡張期、1986年(昭和61年)11月から1991年(平成3年)2月)による売り手市場時(概ね1988年(昭和63年)度から1992年(平成4年)度頃)に就職活動を行い、入社した世代をさす。

とあります。

その方々が、現在、だいたい51歳~56歳前後を迎えています。

そして、年齢だけでなく、「ポストオフ」の現実にも晒されている時期です。

年齢で役職を奪う「ポストオフ」の記事には、

――中でも、こうした中高年社員が「使えない」状態に陥る要因として、一定の年齢に達すると、さらに昇進する人間を除いて一律で役職から降ろす「ポストオフ(役職定年)」という制度が、特に重大だと挙げられていますね。長く組織で評価されてきた社員だからこそ感じる絶望感はすさまじいと感じます。

とあります。

いわゆる、夫婦共々が、退職金と年金原資で、一生を終えられる「逃げ切り」に滑り込みセーフできるかできないかの瀬戸際世代が、あと2、3年後に、大量に、長年勤めた一社目の退職を迎えます。

ただ、この世代、「人生100年時代」というフレコミもあって、まだまだ働く気は俄然としてあります。ところが、世の中に、ポストが圧倒的に不足していて、無いのです。

一社目を充実感とやり切った感を持って退職しているので、「こんな自分でも、セカンドキャリアに行っても何とかなるだろう」みたいな、どこか、たかをくくっている気持ちがあると思います。

「なんと言ったって、30年近く、全うしてきた経験がある。今の若者を管理するくらいは出来るだろし、チーム一人一人のベクトルがあちこちに飛び散る昨今、組織をまとめて欲しいといったニーズだって、まだ、色んな企業の中にあるはずだ。であるならば、やはり、セカンドキャリアは、管理職だ。そうだ、(外に出張って営業をする)営業職は、さすがにこの年では難しいし、現役世代に頭を下げて回るのだって大いに気が引ける。管理職なら。」って思っていると思います。

ところが、そもそも、長い「一社」社会の中で働いてきている間に、とうに、時代は変わっています。

「今どきの若者は」の「今どきの若者」の方が、柔軟に、且つ、ずば抜けた適応力を持っていることに、まだ、気付けていません。

そりゃそうです。処世術は根回し力や気に入られ力、社会人になるころまで固定電話しかなく、年賀状はプリントごっこを弄れるならまだましで、ブラインドタッチは、人差し指+αの超早い版で、来た世代と、物心ついた時から、すべてが出来上がっている社会で育ってきた世代では、基本能力が異なります。

まだ、ピンと来ない場合は、新興国と、これまでの先進国の比較を考えてみますと、何となく理解できるかも知れません。例えば、日本の場合、数知れぬ汗と涙と努力の結晶で、新幹線を生み出して、改良して来ました。今の新興国は、その50年分くらいをすっ飛ばして、直ぐに、今の日本の新幹線と全く同機能のものを利用できます。

スマホ(携帯)もそうです。日本では、90年代前半から、超レトロな携帯(当時は本当に先進的に捉えらていました)が流行り出し、ジョグダイヤルとか心地良く使って、そのうち、画面がカラーになって、音がシグナル音だけでなく、自由に着信音を出せるようになって、携帯の着信音で、FFの曲や、 TRUTH(F1の曲)の曲がかけられた日には、それはもう、大変な満足感でした。携帯にiモードが搭載されたり、携帯でアナログTVが見れたときには、一時、日本の携帯産業は、世界を1周回早く回っているほどでした。

ですが、そんな感動の30年を、今の新興国は、新興国になった瞬間に入手できます。特に、その30年の経験や経験則は必要ありません。スマホ業界においては、これからのiPhoneの技術革新が出来れば、直ぐに日本なんて抜き去れるのです。

それと同じことが、日本の中の、セカンドキャリア世代と、新入社員世代で言えるのです。

最新鋭の知識、しかも、余計な経験則が付着していない、全く自由で、新鮮で、先入観もなく、忖度も不要な発想ができる環境を持っているのです。

昭和10年代の戦車と、最新型無人ステルス機との差があります。

その事実にまず、気付くことが必要でしょう。全ての鎧と過去の栄光を捨てることも必要な場面もあるかも知れません。

今までの会社で、「今どきの若者は」と蔑んできた、その当の若者に、教えを請うという「柔軟さ」と「素直さ」が必要です。

みのもんた氏が、最後のレギュラー番組『ケンミンSHOW』降板で事実上、引退されました。

みのもんた氏と言えば、若い方は知らないかも知れませんが、珍プレー好プレーでは、抜群のアテレコで本当に、プロ野球好きには見逃せない看板番組で長年楽しませてくれました。腹を抱えて笑った番組でした。その、みの氏が、引退理由に、 「自分が今の人たちの会話のテンポに合わなくなってきたなと思っていて」とされているということを知りました。

それほどに、時代は移り変わっているのを知る必要があると思います。若い方に、教えてもらえることは膨大にあります。何とか食らい付いて、少しでも吸収をして、その若い方の消費活動や、経済活動の波に、飛び込んでいくことが、非常に大切だと思います。

同じ世代の方とのみ付き合い、同じ世代の方の消費活動や、経済活動の中で働き、暮らしていこうと考えるなら、必要とされる価値は限定的だと思います。

あの頃これが欲しかった!発売後10か月で100万台売れた世界初のパーソナル電卓「カシオミニ」

私達、50歳代なら、8桁電卓が世に登場した頃の、あの衝撃を覚えていらっしゃるかも知れません。CMでは、「ケタケタケタケタ。何回笑った? 8ケタ」というCMが出て、8桁電卓を、各家庭がこぞって買っていました。

2020年における「8桁電卓の価値」と同じになってはならないのです。あの時の莫大な人気の余韻に浸って、留まっていてはならないのが、「100年時代に突入したばかりの50歳代」なのだと思うのです。

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