日本人と「英語」

働き方・キャリアアップ

これからは、英語と日本語の両輪で。

昭和60年頃。高校生の頃。

クラスに数人、アメリカに留学して戻ってきて、同じクラスになった女子高生がいた。

少し、周りの女の子と比べると、トッポい感じ。年齢的には、留学していた分、一つ上になる。

あのときの自分は、留学しようなんて全く微塵も意識なかった。

大学に進学して、同じクラスにも、帰国子女が多くいた。

あれっ?と思ったことがあった。日本人だが、日本語があまり上手くない。国語の知識が周りの
日本人と比べると少し違う。字を書かせてみると、決して上手とは言えない。いや、下手だ。

括ってはいけないが、偶然なのか、綺麗な女の子たちなのに、決まって字が下手。びっくりした記憶がある。

社会人になると、色んな場面で、耳にしたのが、「語学堪能だけで採用すると、大変なことになる」という点。

同時に、テレビで、数年勉強した外国人が、日本語を流暢に話すのを見るにつけ、「なんで、10年以上も勉強しているのに、大半の日本人は話せもしないし、聞けもしないのはどうしてだろう」と日本の英語教育に関心を持ち、色んな記事・書物を読むと、ある論法が共通して見られることに気付いた。それは.....。

明治の頃から、日本における英語教育指針は、読むことを最も重要視してきた。と。

日本の中では、あまり知られてはいないけれど、海外の国々から驚かれることがある。

それは、日本では、例えば、化学でも、科学でも、物理でも、その他色んな分野を、日本語で学び、日本語で理解することができるという。

他の言語圏では、そうは行かないらしい。例えば、物理なら、物理を得意とする国の言語で、書物を読み漁り勉強しなくてはならない。機械工学なら、機械工学を得意とする国の言語を習得して、その上で、その言語で書かれた書物を読んで勉強しなくてはならないらしい。

近時でこそ、そうしたことは少なくなっているかも知れないが、海外のサイトを読んでいると、よく、「日本では、日本語のままで、色んな分野を学ぶことができるんだ」って驚いているのを目にした。

更に調べてみると、明治時代、文明開花の頃?、徹底的に、色んな分野の書物を翻訳しまくったということを知る。

今では、あったりまえに使っている言葉も、全て、先代の人々が、「それ」=「実態」に見合う言葉を造語しまくったことの恩恵に預かっている。

『翻訳語成立事情』を読むと、「社会」という言葉すら、江戸時代にはなかった。

他にも、本当に、一般的に使われている単語が、その時分に翻訳されたものだと気付く。

日本で翻訳された単語類は、日本のみに止まらず、周辺諸国にも輸出された。その影響で、韓国にも日本と全く同じ単語があるということを、韓国のサイトで、「えっ、自分たちが使っている、この単語も、あの単語も、元々、日本で作られたものらしぞ」って書き込んでいるのを何度か見たことがある。

日本では、そういったふうに、英語やその他の言語を翻訳しまくり、「国内で」色んな分野を、「日本語で」勉強できることができるようにした。

それも、日本人が英語を必須としなかった理由の一つとできる。日本人が英語が下手な理由の一つとも容易に考え付く。

そして、恐らく、恐らく。恐らく、その時代のお偉い方々も、薄々気付いたんだと思う。「おや、語学(英会話)だけに堪能な輩は、他の分野は往々にして弱いぞ」って。

そこで、日本は、文法(grammar)や、読むこと(reading)を重要視しだしたと考える。

つまり、西洋に追い付き、追い越すためには、会話よりも、翻訳する力、読む力の方が大切なんだとして、つい今までの英語教育の方針が作成され、それに則って行われていたと考える。

ただ。これからは、進化版が必須。

つまり、読むのも、訳すのも、理解するのも、そして、話すのも、更に、交渉して、こちらが思うように事を進める力も、はたまた、相手の文化や、経緯、背景をも理解して、その中で上手く立ち回って協力してやっていく力も、「外国の言語で」必要になってきている。

よく、三菱UFJ銀行が、他国の企業や、金融機関を買収しているが、これは、物凄いことだと思っている。資本参加でのアライアンスではなく、買収。ということは、買収した企業の決算も、税金対策も、法務対策も、すべて、主体的に絡んでいかなければならない。その上で、主体的に、方針を決め、主体的に導かなければならないということだ。

ひょっこり、株だけ持って、あとは、現地の人たちに、今まで通りのことをやってもらって、配当や一部恩恵を享受することとは、180度違う。

これからの日本は、どうしても、日本国内だけでは、生きていけない。なぜなら、高齢化に伴い、世界最先端の技術にも周回遅れになっていくだろうし、なにしろ、国民全体の将来の食いぶちのために、キャスティングボートを取っていかなければならない自動運転や、宇宙開発への莫大な投資になんてかける資金は、これから高齢になっていう人々が病院に通う、社会保障の甚大な膨張に根こそぎ取られていくことになるからだ。

そう考えると、実は、消費税増税も、未来の世代のために、今、日本の有史史上、年金の充実という面で、一番の恩恵に与っている60代、70代の方々に、平仄を取るために、未来に向けて、社会に貯蓄=消費税増税を一部負担してもらっておくことも、そして、未来の世代の圧倒的負担になることが分かり切っている不健康なことを、少しずつ、自覚を持って減らしていくことが必要だ。

年金の不均衡や、不健康がもたらす将来の弊害は、またの機会に触れるとして、語学力×海外相手に首尾よくやっていく能力は、自ずと、必要性が高まっていく。

もはや、英語が流暢に喋れるだけでは、「凄ォォォい」とはならないし、なってはいけない時代が迫り来ている。

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