世界では、「壊れてなんぼ」という発想が主流!?

取り巻く環境・世界

日本製品は、「信じられる?10年前から使っているのにまだピンピンしている。さすが日本製!」なんて言葉が海外で言われているとか、いないとか。

日本人も、そういった評判に気を良くしてか、国内のテレビ番組では、「日本製ってこんなに素晴らしい!!」みたいなものが頻繁に放送されている。

これは、これで良いとも思うが、実は、グローバルスタンダードな考えでは決してない。

マレーシアで数年間、暮らして、勤めて、日本のビジネススタイルは、健気だが、正解とは言い難いと感じて帰任してきた。

それは、現地サイドと、日本の本社サイドとの軋轢にもなっていると感じる。

「何?売れない?良いもの作れば少々高くても売れるはずなんだ!そっちの営業の仕方が悪いんだろ!」という日本サイドの言葉が、現場サイドの声としてなんとく肌で感じ取れることが多かった。

それに対する正解は、「明らかにNoだ」。

マレーシアや、ベトナムでは、どこのスーパーマーケットや、家電屋さんにも、商品棚の8割は、中華系の息のかかったものや現地系のものが並ぶ。残りの2割が、欧米、日本の製品や商品。お菓子にしてもだ。

新興国諸国では、余程、日本製品を好きではない限り、中華系の息のかかった物を購入する。

なぜなら、安いから。そして、品質もそこそこだから。別に品質なんて、どうでも良い。

よく冗談なのか、本当なのか、「中国、台湾、韓国のメーカーは、『壊れてなんぼ。2年、3年で、壊れてなんぼ。じゃなきゃ、売れないじゃないか』という思想がある」という言葉を耳にした。

新興国諸国では、下手すると、3年で1割、給料が上がっていく。日本の高度成長期もそうだったと思うが、給料がどんどん上がっていく中で、10年、20年物持ちする商品なんていらない。

3年後、新しい機種に変えているのだから。3年後はもっと豊かになっているのだから。

3年ごとに買い換えれば、新しい機能も付いて便利になっているだろうし。

下手すると、新興国諸国の方々は、日本製品なんて高嶺の花、一生、手をかけずに暮らしていくだろう。

日本の本社のお偉いさん方々は、こうした事実に気付いていない。もしくは、「海外事業本部長」あたりは、気付いてはいるだろうが、こうしたことを日本本社の幹部たちに説明したところで、「君がそれでどうする?そんなことは詭弁にすぎん。それより、現地の者とよく話し合って、なんとか上手く売れるようにしたらどうだ」となって、板挟み状態になっているのが殆どの海外進出企業の日常だろう。

そういった部分からしても、日本は、台湾、韓国、中国の企業と比べても、本当に周回遅れのグローバル戦略だと思う。

「良い物を作れば、高くても売れる」は、日本のガラパゴス思想となっている。

現地の言葉、公用語の英語を、難なく、駆使して、能力マックスフルパワーで、欧米、韓中台の企業とバリバリと肩を並べて、張り合っていける人材を持った日本企業が出て来なければ、基幹産業たる自動車産業さえ、あと10年、20年後は、危ういと考える。

このことは、海外で、少なくとも数年、現場の立場から働いた人には、容易に理解できるが、日本でしか働いたことのない人、海外で働いても、管理する一方だった人=自ら汗をかき、涙を流し、源に立って旗を振っていなかった人だと、「営業の仕方が悪い!」の一点張りになって、その間に、するりするりと欧米、韓中台の背中が遠くなって行っていることすら気付けない。

世界の第一線で、バリバリと張り合っている、ユニクロ、ダイキン、パナソニック、ヤマハあたりの社長や本社は凄いと思う。

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