残念ながら、日本は、このまま、半世紀は、世界規模でのメジャーな会社を台頭させることは不可能でしょう。
但し、数十年後は可能性が全くないわけではないと思っています。そのための条件として、
①AI教育による効果が急速に顕著化
②外国人の流入による国際感覚の修練
③「日常語」に日本語に加えて英語が溶け込んでいるくらい堪能
④混血日本人が急増しても「日本人本来の資質」を維持
⑤少子高齢化の克服
少なくとも、この5つは絶対条件だと思っています。
かつて、スマホや、インターネット黎明期においては、日本は、世界を牽引するかの如くの勢いだったと思います。iモードが世界を席巻すると思われたほど絶好調だった時期もありました。
iモード、世界制覇に第一歩 今年中にヨーロッパ進出 – ITmedia
そこから、一気に階段を転げ落ちます。
あくまで私見ですが、自分は、この国において、 電波利権の、 電電公社から続く、NTTによる一極集中が、世界との競争に敗れ尽きたことに起因していると思っています。
そして、いまだに、一向に安くならない通話・パケット代も、その大きな利権の障壁があるからだと思っています。これを早くから開放していれば、まぁ、中国には追随出来ていたかも知れません。いまだ、開放していませんので、基地局を各社で立てざるを得ず、日本国内での負担が3倍、4倍かかってしまう結果になっていると感じています。
電化製品も、あまりの凝り性を追及して、世界からは、「そんな機能要らない。利便性が適度にあって、価格が相応であれば十分」と揶揄され、日本製からは遠ざかっていきました。
例の、「ガラパゴス化」という表現を受けたものです。
もう1社、日本がメジャーになり得なかった、大罪があるとすれば、ソニーの浮世離れした感覚だと感じています。
商品の価格設定方法が、傍から見ると、「まぁ、どうせ下がるんだから、このくらい高くしておいても罪はないんぢゃないか」というヒソヒソ話が聞こえてきそうなもの。
日本のデフレ入口で、世間の感覚を読み間違えた、鷹をくくった価格設定で、家庭の財布を萎ませたように感じました。その感覚は、VAIO落日にも繋がったと見ています。
今、ソニーが隆盛なことも、その浮世離れした商法が、一般大衆からは受け付けられず、企業を相手にしたB to Bになら、通用するからだということで説明が付く気がします。
自分は、2年間3ヶ月、マレーシアで働き、暮らして、いかに日本企業が有力か、そして、有力であるにも関わらず、柔軟性と適応性、そして、感じる能力を欠いてしまっているために、中国系企業にまんまと抜かされていくことを痛感しました。
マレーシアの、どんな種類のお店の、どこの商品棚を見ても、だいたい同じ構成です。棚に並んでいる商品は、自国のものと中華系企業の息のかかったものが8割、残りの2割を、欧米系と日系、韓国系で争っているふうでした。(以降「棚2割の構図」と呼びます。)
中国系は逞しいです。日本の製品と同じようなパッケージですが、技術は言い方は悪いですが、仮にパクったとしても、地元、地場の嗜好を研究して、それに合わせた味付けや、商品化を施し、ちゃんと地元に受け入れられています。
一方、日本製は、「頑なに」、何かを守っています。マーケティングとか、苦手なのでしょう。
守った結果、シェアを落としています。
海外で働いて暮らしている、日本人駐在員や日本人派遣社員は、当然、そういうことは気付いています。
それを、日本で指揮を執るお偉い方に話しても、「日本製品は秀逸。それを売れない商品にしているのは、売り方が悪いからだ」と「世界を何も知らないお偉い様」に一喝されてしまう絵柄です。
「棚2割の構図」は、今や、マレーシアに加えて、タイ、ベトナムでも、感じられました。
そうした、新興国では、サラリーが年々上がっています。
電化製品・家庭製品に至っては、壊れても、給料が上がって、どうせ、2、3年後に新品且つ、新機能のものに買い替えれば良いのですから、安くて、2、3年だけ持つもので良いのです。
高くて、長持ちする「日本製品」は疎んじられ、一生、手にされることはありません。
面白い噂話がありました。「中国・台湾・韓国のメーカーは、『壊れてなんぼ。壊れなければ買い替えてもらえないぢゃないか』と囁いているとかいないとか。」と。
日本の真面目さ、律義さ、不屈の精神は、海外で働いていても、海外で住めば住むほど、働けば働くほど、浮き彫りになり、確信し、それは日本人であることの誇りでもありました。
海外で働く日本人駐在員は、大半の方が、そうした誇りと自負を胸にして、日本から遠く離れた地で戦っていると肌で感じていました。
惜しむらくは、柔軟性のなさであり、日本本社のお偉い方々が気付けない体質でした。
世界で、これ以上、米国・中国・インドの巨大企業・巨大産業に、周回遅れを取らないためにも柔らかい発想と、屈強な精神体幹を持った人材がマジョリティを持つことに期待したいです。
それは、企業のみならず、政治・政界においても同様です。
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